妊娠中に気をつけたい症状と病気
妊娠中は、からだの変化に伴い様々な症状が現れることがあります。
妊娠の経過により、どのようなことに気をつけながら
過ごしていくと良いかを確認していきましょう。
胎児の成長
お住まいの市町村に妊娠届出書を提出することで母子健康手帳の交付や、様々なサービスを受けることができます。
定期的な妊婦健康診査や自治体からの支援などを受けながら、出産に向けた準備をしていきましょう。
※妊娠中の検査に関する情報サイト「妊婦の体の変化」(こども家庭庁 出生前検査認証制度等啓発事業)
(https://prenatal.cfa.go.jp/pregnancy-and-childbirth/body-changes.html)の内容を引用して作成
01
気をつけたい症状
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妊娠中は、以下のように様々な症状が現れるため、妊婦健康診査を定期的に受診し、気になる症状があればいつでもかかりつけ医や助産師に相談しましょう。
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つわり
妊娠初期に半数以上の方が経験する一般的な症状で、食欲不振、吐き気、嘔吐などの症状が出ます。症状が重く、脱水や食事が殆ど取れず体重が減少するなどの場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
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お腹の張り
妊娠中によくみられる症状ですが、切迫流産や切迫早産が原因の場合もあるため、安静にしてしばらく様子をみても治まらない場合は、医療機関を受診しましょう。
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性器出血
妊娠中によくみられる症状ですが、切迫流産や切迫早産などの可能性があります。特に妊娠後期の性器出血は、常位胎盤早期剥離の可能性があるので、自己判断はせずにすぐに医療機関を受診しましょう。
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おりものの異常
おりものの量が多い、においや色が気になる、陰部がかゆいといった症状がある場合は、感染症にかかっている可能性がありますので、医療機関を受診しましょう。
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胎動が少ない
妊娠20週頃から胎動を感じるようになります。妊婦健康診査で赤ちゃんの発育が順調であり、時々胎動を感じていれば大丈夫である可能性が高いですが、胎動が急に弱くなったと感じる場合はかかりつけ医に相談しましょう。
02
気をつけたい疾患について
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疾患によっては、妊婦と赤ちゃんの両方が危険な状態になるものもあるため、妊婦健康診査を定期的に受診し、必要に応じ検査や治療を受けましょう。
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妊娠高血圧症候群
妊娠中に高血圧を発症した状態であると、妊婦と赤ちゃんの両方が危険な状態になることがあります。定期的に妊婦健康診査を受診し、血圧測定や尿検査などで異常がないかを確認しましょう。
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妊娠糖尿病
高血糖になると、赤ちゃんの合併症が増加するため、定期的に妊婦健康診査を受診し、血糖値に異常がないかを確認しましょう。尿糖は、妊娠中は出やすくなるので異常ではないことが多いですが、リスクが高いと判断された場合は検査を行います。
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感染症
手洗いやうがいなど、基本的な対策を行いましょう。インフルエンザや新型コロナウイルス感染症のワクチンは、妊娠中も接種できます。他にも、B型・C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、梅毒、風疹ウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)、性器クラミジア、B群溶血性レンサ球菌(GBS)などがあり、妊婦健康診査で調べることができます。
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胎児発育不全
赤ちゃんの推定体重が、妊娠週数に応じた基準値よりも明らかに小さい場合、その後の方針を立てるためにも定期的に妊婦健康診査を受診し、赤ちゃんの発育をチェックしましょう。
03
妊娠中や産後のこころの変化
妊娠中や産後には、ホルモンバランスの変化により、心の状態が変化していくことがあります。
周りの方にも、このような変化があることを伝え、心の変化にも気を付けていきましょう。
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マタニティブルーズ
妊娠中や産後は、ホルモンバランスの変化によって気持ちが一時的に不安定になることがあり、涙もろくなる、イライラする、気分が落ち込むなどの症状が出ることがあります。
多くは一時的なもので、10日程で落ち着きますが、症状が強い場合や長引く場合は産後うつに移行する場合もあるため、かかりつけ医や助産師に相談しましょう。 -
産後うつ
マタニティブルーズは10日程で落ち着きますが、産後うつは2週間以上続き、気分の落ち込み、楽しみの喪失、食欲不振、不眠などの症状が現れます。
産後のホルモンバランスの急激な変化や育児ストレス、授乳による睡眠不足が重なると一気に悪化します。自分は大丈夫と思い込まず、地域の支援を受けたり医療機関に相談しましょう。